ANYboticsとは?四足歩行の点検ロボットANYmalとANYmal Xを紹介

ANYboticsの四足歩行ロボットANYmalと防爆対応ANYmal Xを公式資料から紹介。工場、発電所、石油ガス設備の点検で解決を目指す課題、運用ソフトShift、導入時の確認点を整理します。

工場、発電所、石油ガス設備で巡回点検を担う人には、階段の多い現場を移動し、危険な場所でも設備の状態を確認する負担があります。
ANYboticsは、四足歩行ロボットが現場を巡回して画像、温度、音などを収集することで、人の危険区域への立ち入りと繰り返しの点検作業を減らすことを目指す会社です。

分野:フィジカルAI、産業設備点検/エリア:欧州、スイス。
情報確認日:2026年10月9日。
以下は公式資料に基づく紹介です。
機能や効果はメーカーの説明であり、gennaiが実機で検証したものではありません。

ANYboticsは何をする会社か

ANYboticsはスイス・チューリヒに拠点を置く、産業用の自律ロボットを開発する会社です。
会社紹介によると、ETH Zurichで2009年に始まった試作機の研究を産業化するため、2016年に設立されました。

同社はロボットの位置づけを、次の短い言葉で表しています。

“Robot as a coworker”

日本語訳:「同僚としてのロボット」

出典:ANYbotics会社紹介。
人が行う設備の保守や判断を支えるため、現場の情報をロボットが集めるという考え方です。

ANYmalとANYmal Xの違い

名称 主な役割 製品選定の判断材料
ANYmal 産業設備を巡回し、画像、温度、音などを収集 設備の点検場所、移動経路、必要なセンサー
ANYmal X 爆発性雰囲気を含む区域の設備点検 公式ページにATEX・IECExのZone 1 IIB対応を記載
Shift 点検計画、ロボット運用、結果分析、保全システム連携 既存の設備台帳や保守業務との接続

ANYmalとANYmal Xはロボット本体、Shiftは点検業務を運用するソフトウェアです。
それぞれの役割はANYmal、ANYmal X、Shiftの公式ページで確認できます。

ANYmal:階段のある設備を巡回する点検ロボット

ANYmalの公式ページは、複数階にまたがる産業設備での移動と、自律的なデータ収集を紹介しています。
標準の点検装備は、可視光カメラ、サーマルカメラ、超音波対応マイク、照明、LiDARです。
LiDARは、レーザーで周囲の形を測定するセンサーで、位置の把握や移動に使います。

例えば、同じ設備の画像、温度、音を定期的に記録すれば、保守担当者は前回との差を調べる材料を得られます。
これは公開されたセンサー構成から考えられる活用例であり、異常の検出率や故障の予防効果を保証するものではありません。

同ページでは、防塵、防水のIP67、開放格子の階段や濡れた凹凸路面での移動、自動充電も説明しています。
追加のガスセンサーなどはカスタマイズとして紹介されているため、標準装備とは分けて確認する必要があります。

ANYmal X:石油ガス、化学設備の防爆区域を対象にする製品

防爆は、可燃性ガスなどがある場所で、機器が着火源になる危険を抑えるための設計や保護を指します。
ANYmal Xの公式ページは石油ガス、化学産業向けに、ATEX・IECEx認証のZone 1 IIB対応を示しています。

点検装備としてズームカメラ、サーマルカメラ、マイク、LiDARなどを紹介し、ガス濃度を継続測定する装備はオプションと記載しています。
担当者が現場に入る前に、離れた場所から状態を調べる用途が想定されています。

防爆対応には適用範囲があります。
導入先の区域区分、ガスの種類、温度条件と機体の認証条件を照合する必要があり、「防爆ロボットだからどの危険区域でも使える」とは判断できません。
今回の確認時点で製品ページには「2026年版仕様は近日公開」とあるため、古い資料の重量や稼働時間を現行仕様として転載していません。

Shift:巡回で集めた情報を保守作業へつなぐ

Shiftの公式ページでは、設備の地図や構造を管理するMaps、点検を計画して機体を運用するFleet、測定結果を分析するInsight、外部システムと連携するConnectの4モジュールを紹介しています。

例えば、点検結果を単なる画像ファイルとして保存するだけでなく、どの設備の、どの点検結果かを対応づけ、保守システムの作業指示へつなぐ構成です。
同社はSAPやIBM Maximoなどとの連携を説明していますが、自社の環境で利用できる連携範囲は個別の確認が必要です。

公開ページには、2026年10月のShift 1.0や他社機体への拡張に関する計画も含まれます。
計画中の機能を、すべて現在利用できる機能として扱わないよう区別してください。

導入時に確認したい条件

公式オンボーディング案内は、操作訓練、現場での設定、既存の3Dモデルを使う事前準備、継続的な支援を説明しています。
現場で機体を案内して点検箇所を登録し、その巡回を繰り返す手順も示されています。

そのため、導入評価では本体の歩行能力だけでなく、次の条件を整理すると比較しやすくなります。

  • 階段、通路、扉、充電場所を含む移動経路。
  • 点検対象ごとの必要センサーと、標準装備と追加装備の区別。
  • 異常通知を受け取り、確認や修理を判断する担当者。
  • 設備台帳、保守システムとの連携と、データの保存先。
  • 防爆認証、操作訓練、保守、費用、提供地域の契約条件。

確認した公式ページでは、日本向けの確定価格、納期、保守契約条件を確認できませんでした。
ANYboticsの導入を検討する場合は、公式窓口で、対象設備と点検作業を伝えて条件を確認することが次の段階になります。

関連するフィジカルAI企業として、人型ロボットを開発するFigure、農地の除草に取り組むCarbon Roboticsも紹介しています。

出典と更新履歴

以下はすべてANYboticsの公式資料です。
公開日の記載を確認できないため、確認日を基準にしています。
確認日:2026年10月9日。

  • Company:研究の経緯、2016年設立、所在地、短い引用。
  • ANYmal:標準センサー、移動、自動充電、追加装備。
  • ANYmal X:防爆認証の説明、対象産業、ガスセンサーの条件。
  • ANYbotics Shift:運用ソフトの構成、連携、将来計画。
  • Onboarding:導入準備、点検箇所の登録、操作訓練。

2026年10月9日:会社と製品の紹介を新規作成。