Agility Roboticsとは?物流を支える人型ロボットDigitとArcを紹介
Agility Roboticsの人型ロボットDigitと管理基盤Arcを公式資料から紹介。GXOの商用導入、開発中のDigit 5、提供予定と導入時の確認点を整理します。
倉庫や工場で荷物を繰り返し持ち替える作業は、現場の担当者に身体的な負担をかけます。
Agility Roboticsは、人型ロボットDigitと管理ソフトウェアArcを組み合わせ、既存の搬送ロボットやコンベヤーの間で物を運ぶ工程の自動化を進める米国企業です。
物流事業者や製造業にとって、すでに自動化した設備同士をつなぐ作業を検討する事例になります。
分野:フィジカルAI・物流ロボット/エリア:北米・米国。
情報確認日:2026年10月9日。
以下は企業と導入先の公式発表を整理したもので、gennaiによる実機検証ではありません。
Agility Roboticsと製品の役割
2026年9月15日の公式発表では、本社を米国オレゴン州Salemとしています。
人が働く環境で身体を使って作業するロボットを開発しており、家庭向け家事サービスより、物流・製造の現場を対象とした製品として理解すると用途がつかめます。
| 名称 | 役割 | 確認できる位置づけ |
|---|---|---|
| Digit | 二足歩行で物を扱う人型ロボット | GXOでの容器搬送など商用導入事例あり |
| Digit 5 | 次世代のロボット本体 | 2026年9月発表、開発中 |
| Agility Arc | 配備と複数台の運用を管理するクラウド基盤 | 現場設定、状態確認、既存システム連携を支援 |
GXOでの導入:搬送ロボットからコンベヤーへ
導入先であるGXOは、2024年6月27日の発表で、2023年末の概念実証を経て、複数年の商用契約へ進んだと説明しています。
対象はGXOが運営するSPANXの施設です。
Digitは既存の自律移動ロボットなどと連携し、容器を受け取ってコンベヤーに置く反復作業を担います。
この工程では、搬送機が荷物を目的地まで運んでも、その荷物を次の設備へ載せる作業が残ります。
Digitの事例は、その受け渡しを自動化する使い方を示しています。
「物流センターの全作業を人型ロボットに任せた」と広げて解釈することはできません。
契約形態はRaaS(Robots-as-a-Service)で、ロボットをサービスとして提供する方式です。
GXOの資料はDigitとArcの導入を明示しており、展示会での実演や将来の利用計画とは区別できます。
ただし、この発表だけでは導入台数、料金、個別作業の採算までは判断できません。
Agility Arc:ロボットを現場の工程へ組み込む
2024年3月11日のArc発表では、施設の地図作成、作業の定義、運用管理、問題の切り分けを支えるクラウド基盤と説明されています。
稼働率、処理量、問題発生までの平均時間、機体の状態を把握する用途も示されています。
同発表にある短い表現を引用すると、Arcは次のような製品です。
“a cloud automation platform for deploying and managing Digit fleets”
日本語訳:「Digitの機体群を配備・管理するクラウド自動化基盤」。
倉庫管理システム(WMS)、倉庫内の作業を制御するシステム(WES)、製造実行システム(MES)との連携用APIも説明されています。
導入担当者にとっては、ロボット単体の動きに加え、既存設備から仕事を受け取り、完了状況を返せるかが確認点になります。
Digit 5:公表仕様と開発中の機能
Digit 5の製品ページには、積載量23kg、到達高さ2.2m、稼働時間と充電時間の比率10対1、24時間あたり20時間の作業という数値が掲載されています。
ただし同ページは、これらを量産前のハードウェアとソフトウェアによる社内試験・比較試験に基づく暫定推定値と明記しています。
納入済み機体で誰もが再現できる性能として扱う数値ではありません。
同社は人の近くで働く安全設計や、作業に応じて交換する把持部を紹介しています。
一方、ページ末尾にはDigit 5が開発中で、仕様・機能・設計は変更される可能性があり、一部の画像や内容は説明用のアニメーションだと記載されています。
安全機能も一部は開発中で、運用上のリスクをすべて取り除くものではないという条件が付いています。
提供予定と日本で導入する際の確認点
Digit 5発表では、先行提供を2027年前半、製造・倉庫・配送施設向けの一般提供を2027年末までに開始する見込みとしています。
北米に加え、EUと英国への展開も計画しています。
いずれも2026年9月の発表時点の将来計画です。
今回確認した資料では、日本での販売価格、納期、保守窓口は確定できませんでした。
導入相談では、次の条件を現場の具体的な工程に合わせて確認する必要があります。
- 運ぶ物の重量・形状、受け渡し高さ、通路幅に適合するか。
- 人が近づいたときの停止方法と、現場で必要な安全対策は何か。
- 既存の搬送設備・管理システムと、どの範囲まで連携できるか。
- 作業の失敗から復旧する担当者、保守、稼働保証、総運用費をどう定めるか。
家庭用途を含めて人型ロボットを比較する場合は、Figureの会社・製品紹介も参照できます。
Agility Roboticsを検討する際は、GXOで確認された工程と、Digit 5でこれから提供する機能を分けて、自社で任せたい作業との適合を判断してください。
出典と更新履歴
確認日はすべて2026年10月9日です。
- GXO:複数年契約とSPANX施設での導入(2024年6月27日)。
- Agility:Agility Arc発表(2024年3月11日)。
- Agility:Digit 5発表(2026年9月15日)。
- Agility:Digit 5製品ページ(公開日記載なし)。
2026年10月9日:会社・製品紹介を新規作成。